就職活動で後悔しないために!大事な情報が集まっている求人票ウラ面の見かた

  • 2021年1月28日
  • 2021年1月28日

ハローワークを通じて求人に応募するとき、皆さん求人票を見ながら応募する企業について考えると思います。求人票には仕事内容や給料などが記載された「表面」と労働時間や会社の情報などが書かれた「裏面」がありますが、表面だけ見て決めていませんか? もちろん、表面の仕事内容や昇給賞与欄のある賃金・手当も必ず確認すべき部分です。しかし、金額的な記載が無いように見える裏面にも、実は手取りに関係してくる加入保険の記載や、退職後のお金のこと、労働時間に関することなど一見わかりにくいですが重要なことが書いてあります。今回は求人票の裏面について解説いたします。

就業条件のキーポイント「労働時間」

ハローワーク求人票

ハローワーク求人票サンプル (画像の出典: 厚生労働省 『求人申込書の書き方』)

裏面左上の「労働時間」は、基本となる就業時間、時間外労働時間、休日等について記載されています。 就業時間部分にはその企業で採用している労働時間制度が書かれている場合もあり、変形労働時間制やフレックスタイム制等があります。変形労働時間制は更に一週間単位、一カ月単位、一年単位のものがあります。変形労働時間制は、単位となる期間内の労働時間を平均してそれが法定労働時間内であれば特定の日や週について法定労働時間を超えて労働させることができ、単位期間内の労働時間が法定労働時間を超えた場合に時間外の割増賃金が発生する制度です。フレックスタイム制は、一定期間の総労働時間を定められたうえで従業員が始業・終業時刻を自主的に決定することが出来る制度です。

時間外労働を極力避けたい場合は、時間外労働時間の部分を確認したうえで、変形労働時間制の有無もチェックされた方が良いでしょう。休日等部分は、企業独自の休暇制度がある場合カッコ内に記載されます。また、有給休暇は法律上6ヶ月経過後に10日の付与(週の労働時間30時間以上で6カ月間8割以上出勤した場合)となります。

手取り賃金額の概算に欠かせない「その他の労働条件等-加入保険」

裏面左下には、一見してわかりませんがお金に関することが書かれています。

加入保険と企業年金は加入していないものについて二重線が引かれています。加入保険の労災は原則全ての方が対象となり、雇用保険は週20時間以上の労働時間、健康・厚生(厚生年金保険)は雇用保険と同じ週20時間以上の労働時間要件に、賃金・雇用期間等の要件もあります。 雇用・健康・厚生に加入があるということは、その保険料が給与から天引きされるということです。ですが、保険料の半分は事業主と折半するうえ加入保険の給付も受けられ老後の年金額も報酬に応じて増加するのでメリットは大きいです。この欄に数字はありませんが、加入保険によって実際の手取り額が変わってきますので必ず確認しておきましょう。

退職金や離職後のお金情報もここ!「その他の労働条件等-退職金・企業年金」

退職金共済と退職金制度はそれぞれ全く別の制度となります。退職金共済は外部にお金を積み立て、退職金制度は社内制度でお金を積み立てます。

退職金共済は事業主が掛金を拠出し、外部機関が運用するので企業独自の制度より安心と考え退職金共済加入を重視される方もいらっしゃいます。企業年金の部分について、厚生年金基金は現在新規基金の設立は無く、確定給付年金への移行か解散が促されています。

確定拠出年金と確定給付年金は似た名称ですが、確定拠出年金は掛金を企業が拠出し運用を従業員自身で指図するもので、確定給付年金は企業と従業員間で給付額を予め約しておき企業が運用するものです。確定給付年金から確定拠出年金への移管、確定拠出年金から離職・転職しての確定拠出年金の持ち運びは可能ですが、確定拠出年金を確定給付年金へ移管することは出来ません。加入保険の財形(財産形成制度)とあわせて企業年金の有無も見ておくと、長期的な目線で資金計画が立てやすくなると思います。

長く働くためにチェック「会社の情報」

会社の情報欄下部には、育児休業・介護休業・看護休暇の取得実績の有無について記載されています。

取得実績が無くとも、いずれの休業・休暇も性別に関係無く取得が可能です。育児休業は子どもが生まれた日(女性の場合は産後8週間が産後休暇となるのでその後)から1歳になるまで休業を取得出来る制度で、1歳6ヶ月まで、2歳までと要件に該当すれば延長が可能です。介護休業は対象家族の介護を行うための休業で、対象家族1人につき通算93日まで3回にわけて取得可能です。雇用保険の被保険者で要件を満たした方が育児休業・介護休業を取得した場合、雇用継続給付として賃金日額の約67%に休業日数を乗じた分が支給されます。

看護休暇は、子が小学校に入る前まで病気ケガの場合の看護、予防接種・健康診断を受けるためなどに年5日(子が2人以上の場合は10日)休暇を取得出来る制度です。看護休暇中の賃金支払は企業毎に取り決めがあり、無給でも問題はないこととされています。様々なライフイベントがあるなか、長く勤めるためにはいずれも重要な制度です。求人票を見て気になる点があれば面接の際に質問するようにしましょう。

スムーズに選考を受けるために「選考等」

選考方法に筆記試験・その他がある場合は、ハローワーク窓口の方へどんな試験内容か聞いてみると、ハローワークから企業連絡する際に併せて聞いて教えてもらえるかもしれません。

また、応募書類欄でジョブ・カードが必要な企業の場合は、ハローワーク窓口の方へ早めに相談しておくとスムーズに準備できます。

求人票には印字されない「求人・事業所PRシート」

企業によっては、「求人・事業所PRシート」を用意しています。

これはハローワークインターネットサービスや求人情報検索端末より求人情報詳細画面で見ることが出来ますが、用意されていない企業もありますのでご注意ください。窓口では、このシートと「就業場所・選考場所の地図」の印刷を依頼することもできます。

まとめ

求人票の内容について理解は深まりましたでしょうか。ここでは裏面について説明しましたが、求人票は表面裏面どちらもよく読んだうえで応募してください。求人票の内容でわからない制度や語句、気になる点があればうやむやにせず必ず窓口の方に問い合わせましょう。

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この記事を書いた人

岡 佳伸

岡 佳伸

社会保険労務士法人岡 佳伸事務所代表 アパレルメーカー、グッドウィル、KYBなどでマネジメントや人事労務管理業務に従事した後に、埼玉労働局職員(ハローワーク勤務)として求職者のキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は、社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表。特定社会保険労務士(第15970009号)、2級キャリアコンサルティング技能士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士など保有資格多数。

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