ハローワーク元職員が教える後悔しない仕事探しのためのアドバイス
- 2021年1月28日
- 2021年1月28日
仕事を探すとき、求人票のどの部分を注意して見たらよいか分かりますでしょうか。求人票を見てよさそうな求人だなと思っても、入社してからミスマッチを起こして早期離職に繋がることもあります。 求人票の見方のポイント、上手なハローワークの活用方法を元ハローワーク職員が解説していきます。
求人票の「賞与あり」に要注意
求人票を見て、気になるところとして、「賞与の有無」は気になるところだと思います。ただし、「賞与あり」だけで求人を選ぶことは避けたいものです。例えば、下記のような賞与についての求人票はどのように見て行けばよいでしょうか。
- 求人票1・賞与 有(額は業績に応じて変動します)
- 求人票2・賞与 有(年2回 額は人事評価に応じて変動します)
- 求人票3・賞与 有(年2回 昨年実績20万円~40万円)
- 求人票4・賞与 有(年2回 基本給1か月分以上)
- 求人票5・賞与 有(年2回 基本給1か月分以上、昨年実績20万円~40万円)
求人票1は賞与があるかも知れませんが、業績に応じてなので支給されるかどうか分かりません。また、額も1万円かも知れません。年1回の賞与支給だけのところは、ほとんど決算対策の業績に応じた賞与(会社としての利益配分としての賞与)のところが多く、毎年額が変動することがうかがえます。
求人票2も人事評価によるとあるので、支給額が確定していないと思われます。求人票3も前年実績のため、実際どのくらいの額かの目安にしかならないと言えます。 望ましい求人票は求人票4、求人票5の表記です、最低基本給の1か月は賞与支給時期に貰えると判断できるからです。昨年度の支給実績の記載がある求人票5はさらに信用できると言えます。
退職金制度ありも要注意
退職金制度ありの求人票も同じく要注意と言えます。退職金制度はあっても実際は数万円かも知れません。また、退職金制度であれば入社後直ぐの退職には支給されないのが一般的です。会社によって違いますが最低在職期間として3年から5年程度が就業規則や退職金規定で定められているのが一般的と言えます。
退職金についてもモデルが示されているのが理想的です。(例)在職10年間で基本給10か月分の退職金。もしくは、中小企業退職金共済制度(国の退職金制度)や確定拠出年金制度等の外部で積み立てされているものであれば、企業側の事情によって勝手に減額されることもなく安心出来ます。
固定残業代制度とは?固定残業代込みの基本給設定に要注意
固定残業代制度とはあらかじめ所定時間外労働分の残業代を計算して、毎月定額で支給する制度です。固定残業代制度を導入していても、固定残業代として設定された所定外労働時間を超えた部分は別途計算して、固定残業代に追加して支払う義務が会社にあります。設定時間は会社によりますが多くが20時間から40時間前後、多い会社だと60時間、80時間ということもあり得ます。この固定残業代として設定される時間外労働時間に上限の規制はありません。
固定残業代制度を導入する会社のメリットとしては、固定残業代も毎月固定の手当として求人票に掲載できることで。基本給が安くても固定残業代の元となる時間外労働時間を長くして、毎月固定的に支払いのある金額を多く見せることが出来ます。
固定残業代制度の働く人側のメリットとしては、固定残業代の設定所定外労働時間より少なく残業しても、定額で払われるところにあります。ただし、固定残業代制度を導入している会社であれば全く残業(所定外労働)が発生しないということも考えにくいです。(全く、残業が発生しないのであれば所定外労働した分だけ残業代を払った方が、会社の支出が少なくなるため)固定残業代の表示がある求人票を見て会社を選択する場合は、毎月の残業時間の目安が記載されている求人票に応募したほうが良いと言えます。例えば、「固定残業代の設定所定外労働時間は30時間ですが、毎月の平均所定外労働時間は10時間前後です。ただし、決算期や繁忙期は30時間を超えるときもあります。超えた場合は追加で残業代(所定外労働手当)を払います」と言ったような記載です。
ハローワークを上手に活用しよう!
ハローワークの相談員が使うシステムの端末には、求人・求職の履歴や実際の応募者からのフィードバック情報、退職した社員からのクレーム情報等々、一般に公開されていない様々な情報が蓄積されています。このような情報は求人票を見てただ応募するだけでは、得られない情報です。
また、ハローワークの相談員経由で求人先の企業に聞きづらい点を、確認して貰うことも出来ます。「会社の離職率はどうですか」「実際に昨年いくらぐらいの賞与が支給されたのですか」「退職金制度ありになっていますが退職金規定はありますか。また、何年在籍したら支給されますか」「退職した社員から情報が入っていますか」「いつも求人が出ているのではないですか(求人がいつも出ているということは、会社が拡大傾向で無ければ、離職率が高いと推測できます)」等々質問して活用しましょう。ハローワークの相談員で話しやすく相談しやすい方が居られるのでしたら、ハローワークの受付等に相談して指名して継続相談をお願いすることも出来ます。
まとめ
求人に応募する場合求人票の情報は重要ですが、記載が足りなくて情報が少ない場合も多いです。情報が多い求人票は魅力的で求人に積極的な親切な会社とも言えますが、逆に求人慣れをしていて離職者が多いこともあり得ます。
中小企業では代表者が求人担当者のことも多く、求人票の記載まで手が回らないことも多いです。求人票の足りない点はハローワーク経由で確認するなどして上手に情報を集めて行きましょう。
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